国生み―イザナギノミコト・イザナミノミコト①

アメノミナカヌシの後、何代かの神さまが生まれ、遂にともにひかれあう男女の神さま、イザナギノミコトとイザナミノミコトがお生まれになります。
そしてこの夫婦神が、国生みをするのです。二柱の神さまは、天の沼矛（あめのぬぼこ）で水をかき混ぜました。矛から滴った濃い塩水が固まって島ができました。オノゴロ島です。この島に降り立ち、イザナギノミコトは、イザナミノミコトに「あなたの身体はどうなっているのか」と問いかけます。イザナミは「私の身体は、一ヶ所だけ未完成のようになっているところがあります」と答えます。イザナギは、「私の身体は反対に一ヶ所余分に見えるところがある」「余分な部分と未完成な部分を合わせて国を生もうではないか」と仰せになり、「天の御柱の下でその神聖な行いをしよう」と仰せになります。さらにイザナギは、イザナミに「あなたはこの柱を右から回って私を探しなさい。私は左から回ってあなたをさがします」そしてイザナミが「ほんとにまあ、なんて素敵な男の人でしょう」と言い、イザナギが「ほんとにまあ、なんと素敵な女の人だろう」と言い、愛し合ったのです。
ところが生まれた子は、一体は手も足もないヒルコで、一体は形も定かでないアハシマでした。そこで、もう一度、今度はイザナギから「本当にまあ、なんて素敵な女の人だろう」と言い、次にイザナミが「ほんとにまあ、なんて素敵な男の人でしょう」と言い、こうしてまず最初に生まれた立派なお子が淡路島。次が四国、その後に隠岐の島、九州、壱岐の島、対馬、佐渡の島と生まれ、八番目に本州が生まれたのです。